コウモリの進化

コウモリの進化

コウモリには、様々な進化説があります。中でも有力な説がネズミのような哺乳類が、長い進化の過程で翼を持つに至ったという説です。そのためコウモリには、天鼠とか飛鼠といった別名があることでも有名です。あるいは天井に逆さにぶら下がっているので、手足が退化したといった進化説もあります。確かに天井にぶら下がっていれば足も必要ないかもしれませんね。ここではそんなコウモリの様々な進化説についてご紹介いたします。

昔のコウモリ

昔のコウモリにも翼があった

コウモリが翼を獲得するに至った経緯には様々な説が唱えられています。例えば恐竜が絶滅したおかげで、哺乳類の中にも空への進出を試みるような生き物がいたというのが有力な説とされています。

しかしながらコウモリの先祖に関しては、現在発見されている化石を見る限りにおいてすでに翼を持っているものばかりです。そうなると、かなり古い時代からコウモリにはすでに翼があったということの証明にもなるでしょうね。

天鼠や飛鼠の別名がある

コウモリには、天鼠や飛鼠といった別名があります。これらの別名をそのまま直訳すると、天高く飛び立つことのできるネズミということになります。要するに、昔はコウモリもネズミのような生き物であったが、長い進化の過程で翼を持つようになったということになります。

その代り、コウモリの翼は鳥の羽とは全くその構造が異なるのです。例えば鳥の羽は、羽根で覆われた筋肉の塊のような構造です。一方コウモリの翼は、骨と飛膜でできています。ちょうど雨傘を連想させるような構造です。そのため雨傘がコウモリの翼とよく似ていることからコウモリ傘と呼ばれるようになったのです。

エコーロケーションとコウモリの進化

コウモリのエコーロケーション能力

コウモリには、夜になってから虫などを捕獲するといった夜行性の習性があります。とりわけそんな夜中には、視力はほとんど通用しません。そんなコウモリが、様々な障害物に接触することなく猛スピードで飛び回ることができるのは、エコーロケーション能力を持っているからです。

あるいは暗闇の中で、小さな虫を上手に捕獲することのできるのも同様の能力があるからです。そんなエコーロケーション能力とは具体的にはどんな能力なのでしょうか。それは人の耳には聞こえない超音波を発することで、その反射する時間差によって障害物や獲物の距離を認識できるという能力です。その機能を応用したものが、漁船には欠かせない魚群探知機です。

エコーロケーションはコウモリの進化を代表するもの

今や漁船に魚群探知機はなくてはならないものとなっています。おまけに魚群探知機を利用するようになってからというもの漁獲高が飛躍的に向上しました。こうした人間が高度なコンピューター技術やセンサー技術を駆使することができたからこそ、見返りが得られるのです。

一方コウモリは、そんな人間の英知の結晶をすでに大昔から持ち合わせているのです。要するにエコーロケーション能力によって、真っ暗な夜空を障害物に衝突することなく獲物を瞬時に捕獲することができるのです。そんなコウモリの能力も、進化形態の代表といえるでしょうね。

コウモリの進化の豆知識

コウモリの翼は、鳥の羽に比べると重い

コウモリの翼は、体重よりも重いといわれています。おまけに鳥の羽と比べても、コウモリの翼のほうが重いのです。これもコウモリの進化を表す一つといえるでしょうね。それではどうしてそんなに翼が重いのでしょうか。

それはコウモリの翼が飛行に必要な器官であると同時に、別の役割を果たしているからです。その別の役割ですが瞬時に飛行する際には頭を上にして、休憩する際には頭を下にするのです。そんな時に翼が重いと、翼がバランサーの役目をしてくれるので体をコロコロと反転しやすいのです。

とても軽い体重

コウモリには、飛鼠つまりは空を飛ぶことのできるネズミといった別名があります。それではどうして空を猛スピードで飛び回ることができるのかといえば、体重が軽いという点も大きな要因として挙げられます。

例えば人の家屋を住処とするアブラコウモリであれば、体長が5㎝程で体重に至っては10g程しかないのです。そのように極端に体重が軽いが故に、猛スピードで大空を飛び回ることが可能なのです。一方、そんなアブラコウモリが翼を広げると、30㎝もの大きさになるのです。こうしたコウモリの体重も進化の一つとして挙げるには十分な内容です。

まとめ

他の動物にはないコウモリの特筆すべき進化をピックアップしてご紹介しました。しかし残念ながら、人が類人猿から進化したというような明確な進化形態は未だ解明されてはいません。あくまでも推測の域にはなるのですが、その能力には目を見張るものがあります。

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